今日も走り続ける-PRESENT

運行を支える営業所の1日

全100台の車両を擁する
巣鴨営業所は、
全128系統のうち8系統の路線を
運行しています。
毎日の安全で快適な運行のためには、
バスを運転する乗務員だけではなく、
その計画を立てたり、
車両を入念に整備する職員の活躍が
欠かせません。
そんな普段は目にすることのできない、
運行を支える営業所の1日を
ご紹介します。

巣鴨営業所の職種一覧

乗務員

バス車両を運行するのが主な業務です。早朝から深夜まで運行しているため、乗務員は早番ダイヤ、中休ダイヤ、遅番ダイヤの3つのシフト制を組んでいます。

事務職員

職員の多くは「運行管理者」の資格を持ち、乗務員の勤務と車両運用の管理が主な業務です。毎日の運行計画の作成からダイヤの見直し、お客さま対応、安全のための研修の実施など、その業務は多岐にわたります。

整備職員

車両の点検、整備が主な業務です。巣鴨営業所の全100台の車両を、毎日3~4台のペースで点検、整備を行っています。熟練の技術が日々の安全な運行を支えています。

05:00

営業所の始業

巣鴨営業所には全100台の車両が格納されており、始発前の車庫はバスでびっしりと埋めつくされています。バスの出入庫の門を開け、営業所の1日が始まります。

05:00

事務職員

  • 運行データ・乗務員の出勤状況の確認

    操車担当はこの時間帯に前日の運行データの確認をし、運行実績を確定させるとともに、運行前点検で不具合が出たときには、車両交換の手配を行います。
    勤怠管理担当は乗務員の出勤状況を確認し、不測の事態に備えます。
    運輸担当は早番ダイヤ、中休ダイヤの乗務員の出勤確認、点呼、朝のラッシュの運行状況のチェックと8:30の交代時間まで、気の抜けない時間が続きます。

05:00

乗務員

  • 早番ダイヤ出勤

    勤務中は金品の携行が禁じられているため、出勤したらまず自分のロッカーに財布等の金品を預けます。

  • 車両点検

    当日の担当車両の料金箱を持って車両へ。車両やタイヤ、エンジンの状態に異常がないか、運行前にしっかりと点検します。

  • アルコール検査

    法令に基づき、乗務前にアルコール検査を行います。都営バスでは、道路交通法よりも厳しい基準を設け、僅かな酒気帯びも絶対に許さないという姿勢で実施しています。検査結果と検査時の写真は自動でパソコンに記録され、厳格に管理しています。

  • 始業点呼

    自身の健康状態や車両に異常がないことを報告。運行管理者からはその日の注意事項が伝達されます。運行系統とダイヤを双方で確認し、行路表を受け取ったらいよいよ出発です。

  • 運行開始

    行路表に記載されたダイヤに従って、始発の停留所に向けて出発です。朝のラッシュに向けて多くのバスが各路線へ出庫していきます。

  • 06:00
  • 中休ダイヤ出勤

    中休ダイヤは主に朝と夕方のラッシュの時間帯に乗務します。早番ダイヤの乗務員に続いて始業点呼を済ませ、次々と出庫していきます。

07:00

事務職員

  • 定期券発売所の営業開始

    定期券発売所では、定期券やグッズの販売のほか、遺失物の対応や路線に関する問い合わせ窓口として営業しています。7時から20時まで、1日30~40名ほどの来客があり、事務職員が対応しています。

  • 運行状況の監視

    営業所の運行モニターには、リアルタイムで運行中の車両位置が表示され、遅延の状況も把握できます。各路線で大幅な遅延や車両故障、事故などのトラブルが生じた場合、その情報を無線を通じて乗務員と共有し、操車担当は臨機応変に車両の運用変更の指示を行い、ダイヤの維持に努めています。

08:30

多くのバスが出庫

朝のラッシュに向けてほとんどの車両が出庫したため、バスで埋めつくされていた車庫はガラガラの状態に。

08:20

事務職員

  • 引き継ぎ

    宿泊勤務担当から当日の職員に対して、乗務員のシフトや車両故障による運行計画の変更など、必要な引き継ぎを行います。

  • 08:30
  • 事務所朝礼

    事務職員全員が集まって、勤怠や売上に関する報告や、イベントによる交通規制など重要な情報を共有します。最後に所長が安全運行のための訓示を行い、それぞれの業務がスタートします。

  • 08:40
  • 勤務組み・車両運用決定

    乗務員の基本的な勤務ローテーションは予め決まっていますが、勤怠管理担当は休暇者のダイヤ振替や貸切仕業の追加等の様々な要因を調整し、3日先の正式な勤務割を決定します。決定した勤務表は掲示板に貼り出し、乗務員に担当するダイヤを周知します。また、病気や交通機関の遅れにより、当日運行を予定していた乗務員の出勤が難しい場合には、急遽勤務割の調整を行いますが、各ダイヤの出庫時間という制限時間に追われながら、ヒリヒリとした緊迫感の中で勤務の組み換えを行うこともあります。

  • 乗務員は乗務の合間に掲示された勤務表を確認し、翌日以降の乗務に備えます。

08:40

整備職員

  • ラジオ体操

    整備職員全員が集まって、業務を始める前にラジオ体操で体を動かすのが日課です。

  • 08:50
  • 朝礼

    当日に行う整備車両の情報などを共有します。どの車両にどんな整備をするかは、営業所ごとに作成する整備計画表に基づいて各整備員に割り振られます。そして大事なお昼のメニュー予約も…抜け漏れなく行います!

  • 09:00
  • 法定整備・自主整備

    3か月に1回の法定整備に加えて、都営バスでは月に1回の自主整備を行っています。この日はブレーキを分解整備する作業を実施。

  • タイヤ交換

    定期整備のほかにも、タイヤの摩耗が一定以上進んだ際には前輪から後輪へと付け替え、負荷のかかる前輪は常に新しいタイヤにするなど、安全運行の確保に努めています。

09:00

乗務員

  • 早番ダイヤ休憩

    朝のラッシュが終わり、休憩をとるためにバスが入庫してきます。入庫時間はダイヤにより異なりますが、概ね1時間の休憩後、中休ダイヤの車両と入れ替わるように仕業後半の運行に入ります。

  • 職員のための食堂があり、ラーメンやカレーなどの定番メニューのほか、日替わりメニューも提供しています。お昼時には多くの職員でにぎわいますが、1名の厨房スタッフがすべてを切り盛りしています。

  • 11:00
  • 中休ダイヤ休憩

    剣道や柔道、卓球など、休憩時間に様々なスペースとして活用できる厚生室。中休ダイヤは休憩時間が4時間以上に及ぶものもあるため、体を動かすことでリフレッシュする乗務員もいます。

  • 16:30
    12:00
  • 遅番ダイヤ出勤

    12時以降に出勤し、終バスまでを担当。都営バスでは「午後番」と呼ばれています。

13:00

整備職員

  • 車両点検

    巣鴨営業所には100台の車両があるため、毎日3~4台のペースで点検を実施。のちのちの故障につながるような箇所を見つけたら、必要に応じて部品を発注し約1週間後に整備します。点検範囲は多岐に及ぶため、チームで分担し協力してスピーディーに行っています。

  • 車両の中も外も下廻りも、故障や故障につながりそうなところをたくさんの目と手で洗い出します。

  • ベルトの張り具合やオイル漏れなど、エンジンルーム全般を上からも下からも、くまなく点検。

  • ピットにもぐってブレーキの作動やサスペンションを点検。

13:30

乗務員

  • 早番ダイヤ乗務終了

    その日の乗務が終了したら、営業所内の専用給油場で給油をします。車体の汚れが目立つときは洗車も行います。

  • 始動員が指定した位置に車両を停車

    始動員とは、始発の車両からスムーズに出庫できるように、バスの格納場所を決定し、乗務員に指示を行う職務です。巣鴨営業所では、定年退職した元乗務員が担当しています。巣鴨営業所のように敷地に対して車両数が多い営業所にとっては、なかなか大変な仕事で、毎日複雑なパズルを組み上げていくかのような職人技です。都営バスでは通称「ひっぱり屋」とも呼ばれています。

  • 毎朝事務職員から掲出される配車表をもとに、始動員が格納時間表と格納表を作成。100台の車両が円滑に出入りできるように、車両の駐車場所を管理しています。駐車場所によっては始動員自らバスを誘導し、乗務員をサポート、隙間なく格納していきます。

  • 売上金精算・終業点呼

    料金箱を専用の機械に入れると、自動的にその日1日の売上金が収納され、ICカードや一日乗車券の売上データなどが精算されます。
    その後、乗務後のアルコール検査を行い、検査結果を報告するとともに、最後に終業点呼で、運行管理担当に乗務が無事に完了したことを報告して勤務終了です。

  • 14:30
    15:30
  • 中休ダイヤ後半乗務開始

    遅番の運行に加え、夕方のピークに向けて、中休ダイヤの車両が出庫するため多くのバスが路線に。そのため、車庫内は徐々にガラガラになっていきます。

15:30

夕方のラッシュに向けて出庫

夕方のラッシュを前に空いてきた車庫。一方で手前(画面右下)には翌朝のラッシュに向けた車両が並び始めます。

18:00

整備職員

  • 臨時作業、予備品再生

    もしもの事態に備え、20時までは整備スタッフが待機。待機中は部品の修理などを行います。バス料金機やワイパーモーターのほか、ヒーターのポンプや様々なスイッチ類まで幅広く修理をこなします。

19:00

乗務員

  • 中休ダイヤ乗務終了

    売上金(データ)精算、アルコール検査、終業点呼を行って1日の業務が終了します。

  • 21:00

20:00

事務職員

  • 定期券発売所の営業終了

    窓口での販売が営業終了後、売上金の精算を行い、窓口担当の業務は終了となります。

21:00

乗務員

  • 遅番ダイヤ乗務終了

    売上金(データ)精算、アルコール検査、終業点呼を行って1日の業務が終了します。運行を終えて入庫するバスもありますが、休憩を終えて深夜の運行に向けて出庫するバスもあります。

  • 24:00

24:00

事務職員

  • バス料金機の売上金精算

    当日のバス全体の売上金精算に加えて、運行中に販売した定期券・一日乗車券の在庫確認を行います。

24:00

事務職員

乗務員

  • 仮眠

    宿泊勤務担当は、仮眠室で休息をとり、翌朝の業務に備えます。

  • 閉門

    運行を終えた全てのバスが帰ってきた後、出入庫の門を閉めます。営業所の長い1日の終了です。明日の運行に備え、車両たちも短い眠りに就きます。

安全で快適な運行のために
  • ダイヤ作成

    ダイヤ作成担当は、ダイヤ通りに遅延なく運行できているか、データを見ながらチェック。路線や停留所ごとの乗客数、客層、周辺施設(学校・病院など)などの分析に加えて、お客さまの声を参考にしながら、より円滑な運行のためにダイヤを見直します。

  • 安全指導

    (撮影した日は)研修所から持ち込まれた音声と画面の表示に従って操作を行うシミュレーターで、乗務員の運転適性検査を行いました。ほかにも安全指導担当を中心に、安全運行に関する講義やヒヤリハット事例の共有などを実施。営業所・研修所・本局の運行管理部門が協力し、都営バス全体で事故防止に取り組んでいます。

  • 状況に応じた整備作業

    日々の点検に加えて、調子の悪いエンジンの修理など、臨時故障にもその都度対応しています。エンジンから車内電装品まで、車両のことはすべて整備職員が修理し、日々の運行を支えます。

巣鴨営業所の職員より

お客さまに、快適にバスをご利用いただくために、特にバスの清掃には力を入れています。バスの汚れを取ることで、自分の心もスッキリするので、食事休憩を忘れて熱中してしまうこともあるくらいです。巣鴨営業所は、わきあいあいとしていますし、年齢問わず気軽に話せる雰囲気なので、居心地が良いです。

巣鴨営業所 國井主事

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