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01 電車運転[地下鉄]

「安心で快適な乗り心地」という、見えないおもてなしを提供する。
後町 佳宏 Yoshihiro Gocho 電車部泉岳寺乗務管理所 2009年入局

志望動機 / 東京を離れて芽生えた、首都の交通システムに携わる夢

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東京都交通局に入局する前、私は民間企業で経理事務の仕事に就いていました。地方の支社に配属になったことで初めて、幼いころから住み慣れた東京の街を外から見るという経験をしました。特に強く感じたのは、大勢の人の暮らしを支える公共交通機関の充実度合いでした。それまで鉄道の分野にそれほど関心を持ったことはありませんでしたが、東京を離れたことで、当たり前のように利用していた電車がいかにすばらしいものかを実感したのです。「正確で便利な東京の交通システムに携わってみたい」「首都東京で都民の暮らしを支える仕事がしたい」という思いが次第に膨らみ、全くの異業種からのチャレンジでしたが、東京都交通局の採用試験を受けることを決意しました。

東京都交通局に入局して / 現在につながる入局4年目の大きな転機

私は車掌職で入局(※)しました。最初に戸惑ったのはやはり、前職とは勤務体系が大きく異なること。夜勤や泊まり勤務があり、出勤時間も日によって異なるため、体が慣れるまでは大変でした。体調を崩して休むようなことがあれば、同僚に迷惑をかけてしまうので、日頃から風邪の予防や食事バランスなどにも気を遣うようになりました。
当初は車掌の仕事をずっと続けていくつもりでしたが、周りの先輩方が運転士へとキャリアを進めているのを見て、私も挑戦してみたいと考えるようになりました。入局4年目に運転士になるための選考試験を受けて合格。東京都交通局研修所での学科講習や技能講習を経て、最後の技能試験に合格し、念願の運転免許を手にしました。約9カ月に及ぶ長い研修の道のりでは、同僚のサポートに加えて、家族の存在と、自らの「何があっても運転士になる」という覚悟が支えになりました。
※現在は、まず鉄道営業(駅係員)での採用となります。

私の仕事 / 運転士のスキルがダイレクトに表れるブレーキ操作

私は泉岳寺乗務管理所泉岳寺乗務区に所属し、都営浅草線の押上~西馬込間を運転しています。浅草線の特徴は、5つの鉄道事業者と相互直通運転を行っていること。そのため浅草線内を走行する車両の形式は全部で14にのぼり、都営地下鉄以外の他社の車両を運転する機会も非常に多くあります。車両の形式ごとに性能やスイッチの位置などが少しずつ違うため、それぞれを正確に覚え、性能に合わせた運転ができるようになるまでにはある程度の経験を要します。難しい半面、多種多様な形式の車両を運転できる面白さもありますね。
電車車両は先進テクノロジーによって制御されていますが、運転士のスキルが乗り心地を左右する面も多くあります。その筆頭がブレーキ操作で、運転技術がダイレクトに表れます。できるだけ衝撃を少なく、静かに停車できるように、研修で教わった運転を基本にしつつ、緩やかにブレーキをかけ始めるなど工夫しています。そして、万が一事故が発生した時を想定した訓練を受けています。安全を守るために、乗務中は常に神経を集中しています。

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仕事のやりがい / 大都市・東京で多くの人々の移動を支える喜び

浅草線を運転していて感じるのは、押上や浅草など観光名所が多いエリアの駅と、大門などオフィス街にある駅とでは、利用されるお客様の層が大きく変わる点です。それぞれに特色のある東京の街と街を結び、人々の移動に欠かせない足となっていることを実感できます。乗り入れ線には成田空港と都心をつなぐ路線もあり、海外からのお客様も非常に多いですね。仕事を通じて、東京という街のエネルギーを感じることができて、「大都市・東京の交通に関わりたい」という入局時の夢が叶った喜びをかみしめています。
乗務中は運転に集中しますので、車掌のときと比べると、お客様と接する機会は少なくなりました。その代わりに、運転士として技術を磨き、「安心で快適な乗り心地」というサービスを追求することで、隠れたおもてなしをお客様に提供していきたいと思っています。
その中で、事故なく一日の乗務を終えたとき、一番のやりがいを感じます。

将来の目標 / 仕事の面白さ、やりがいも伝えられる管理者に

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電車の運転というのは、基本動作に沿った、一見すると単純にも思える仕事ですが、実際にはとても奥が深く楽しい仕事だと感じます。例えば、同じ形式の車両であってもブレーキのかかり方にはそれぞれクセがあり、車両ごとの微妙なクセをつかんで思い通りのブレーキ操作ができたときには、内心「よし!」と思います。漫然と仕事をするのではなく、自分の頭でいろいろと考えて業務に取り組むと、このように小さな達成感を覚える場面は増えていきます。そうした、言葉ではなかなか表現しきれない仕事の面白さとやりがいを、後輩にも体感してもらいたい。その思いから、鉄道事務(助役)の選考試験を先日受けて合格しました。私自身もさらに研鑽を積みながら、車両ごとの性能に合わせて運転する楽しさや、それによってお客様に快適な乗り心地を提供できる喜びを伝えていきたいですね。

応募される皆さんへ / チームワークで2020年を盛り上げる心意気を

普段から同僚や後輩とコミュニケーションをとりやすく、新たに入局する人もすぐに溶け込んで、安心して働き続けられる職場だと思います。その日にペアを組む車掌とは、行動を共にする時間が長くなるので、仕事のことだけでなく、趣味の話から悩みごとまで、仮眠前についつい話し込むこともあります。職場に和気あいあいとした雰囲気があるからこそ、電車運転士という責任の重い仕事にも、ストレスをためることなく打ち込めています。
2020年の東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都交通局ではホームドアの整備など、ハード面での取り組みを進めています。私はそれ以上に、ソフト面、つまり交通局で働く職員一人ひとりの力が、大勢のお客様を国内外からお迎えする上で重要になってくると感じています。「チームワークで東京2020オリンピック・パラリンピックを盛り上げていきたい」という気持ちを持った方に、ぜひ仲間に入ってほしいと願っています。

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ある一日のスケジュール【終電担当】

14:00

出勤

泉岳寺乗務管理所に出勤。アルコールチェックを行い、更衣室で制服に着替えます。
乗務員は身だしなみが大切。鏡で確認しながら服装を整えます。

14:30

始業点呼

始業点呼を受けます。運行管理者から注意事項などを聞き、その日に乗務する列車ダイヤが示された「仕業(しぎょう)」と呼ばれる行路表を確認。
ペアを組む車掌と打ち合わせをします。

15:00

乗務開始

泉岳寺駅のホームで前の運転士と交代し、行先表示などを確認して乗務を開始。
浅草線の押上~西馬込間を往復します。間に2度休憩を挟みますが、休憩のタイミングや長さは、乗務するダイヤによって異なります。休憩を利用して夕食を摂ります。

0:30過ぎ

乗務終了

最終電車の運行を終えた後、電車を馬込車両基地に入れ、1日目の乗務が終了します。

1:30過ぎ

仮眠

馬込車両基地内にある仮眠室で4時間ほど仮眠をとります。

6:00

起床

身支度を整えて準備します。

6:30

出庫点検

馬込車両基地から電車に乗り込みます。車両やブレーキ動作などに異常がないかを点検。
信号が出れば出庫します。

6:50

乗務開始

1往復程度運転した後、間に休憩を挟み、もう1往復程度運転します。

11:00

乗務終了

泉岳寺駅で乗務を終え、泉岳寺乗務管理所に戻ります。

11:15

退勤点呼

車掌とともに退勤点呼を受けて勤務終了。着替えて退勤します。