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09 交通技能[電車整備]

機械の大小を問わず重要さは同じ。基本動作を大切に整備に臨む。
望月 優磨 Yuma Mochizuki 車両電気部馬込車両検修場 2015年入局

志望動機 / 未経験でも一から学べることに勇気づけられた

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高校では機械科で学んでいました。同じ科から機械整備の仕事に進む人も多かったのですが、正直に言うと、私自身は電車の整備や鉄道業界にもともと関心があったわけではありません。東京都交通局の採用試験が民間企業よりも早いタイミングであり、自分の力を試そうという気持ちで電車整備職に応募しました。自信は全くなかったので、合格を知ったときは驚きました。電車の整備は私にとって未知の世界で不安もありましたが、実際に仕事をするなかで、高校での専門が電車整備ではなくても、一から学んでいける環境があるということにも背中を押されました。また公務員として安心して長く勤め続けながら、技術を磨けることも魅力でした。

東京都交通局に入局して / 個々の技術以上に、整備で大事になるスキルとは

入局後の座学研修では、電車整備の流れについてビデオ映像を見ながら学ぶ時間があります。現場に出る前の段階で仕事内容をある程度イメージでき、心の準備にもなりました。一方で、機械科で学んできたことと電車の整備の仕事は、全く異なることを改めて感じ、いろんなことを覚えていかなければ、と気持ちが引き締まりました。職場には何十年とキャリアを積んだベテランの先輩も多く、最初は緊張しましたが、右も左も分からない私に順を追って教えてくださいました。現場に出てみて感じたのは、コミュニケーションの大切さです。チームで行う作業も多いため、いかに連携をとって動けるかが重要になります。何より、電車整備はお客様の安全に関わる責任の大きな仕事。分からないことをうやむやにしたり勝手に判断したりせず、とにかく何でも質問するようにと先輩からは今も言われています。

私の仕事 / 一つひとつの点検手順にはすべて意味がある

私は馬込車両検修場運用区の月検査を行う班に所属し、その中の電機班として、電子機械の整備に携わっています。月検査は1編成(8両)ごとに3カ月に1度行う検査で、浅草線の全27編成が対象になります。電機班は主に運転台まわりや扉の開閉装置などの点検や、消耗部品の交換などを担います。ボルトのゆるみがないかをチェックする際は、点検ハンマーで一つひとつボルトを叩いて確認するのですが、決まった位置を、決まった方向に正しく叩かなければ正確に検査することはできません。一つひとつの手順には、すべて意味があるのだと意識して作業に臨んでいます。また、検修場内の架線には1500ボルトもの高電圧の電気が流れているため、安全には特に気を遣います。場内の線路を横断するときは、左右を見て進入中の電車がないか指差し確認するなど、安全確保のための基本動作を大切にしています。

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仕事のやりがい / 現場で経験を重ねながら成長できる喜び

検査の際は、点検項目ごとに決められた判定基準値に照らし合わせて、調整が必要かどうかを判断します。作業を繰り返すなかで、各項目の基準値を覚え、スピーディに判断しながら手際よく点検を進められるようになってきました。経験を重ねるほどに技術や知識が増え、技術者として成長していけることに喜びを感じます。
安全を確保するために、現場でしっかりと声を出すことも重要になります。私も1年目のときと比べると大きな声が出せるようになりました。先輩から「顔つきがしっかりしてきた」と言われると、自分では気づいていなかった成長を実感できてうれしくなります。先日行われた、脱線復旧を想定した大規模な訓練では、車両部門の一員として、本部と現場指揮者との間に立つ伝令役を務めました。日ごろの経験を活かし、声をしっかりと張って役目を果たすことができました。

将来の目標 / 新旧両方の車両を熟知した整備のプロに

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浅草線では2018年の春をめどに、20年ぶりの新車となる新型車両「5500形」の導入が予定されています。現在の5300形と比べると、最高運転速度もアップするなど、様々な面で性能が進化し、それに伴ってメンテナンスの手順にも変化があると思われます。再び一から覚えることもたくさんありそうですが、最新型の車両の整備に関われることは楽しみです。いずれは浅草線の全27編成が新型車両に置き換わる予定ですが、それまでの間は新旧両方の車両が走ることになります。それぞれの車両のメンテナンスに必要な知識と技術をしっかりと身につけ、安全で快適な運行を支えていきたいと思っています。

応募される皆さんへ / チームの一員として、自分の役割を果たせるか

電車整備の仕事は、スケールの大きさも特徴の一つだとは思いますが、私自身は「大きいからやりがいがある」「鉄道だからすごい」といった意識は持っていません。整備する機械の大小にかかわらず、大事なのは、自分に与えられた仕事を、チームの一員として正確にきちんとやり遂げられるかどうか。小さな作業にも真剣に向き合う心構えは大切だと思います。また、検修場内では車両を自分で運転する業務もあるので、電車運転を経験できることも面白さの一つかもしれません。私自身もそうでしたが、電車整備の仕事は未経験から始める人が大多数で、みんなスタートは同じです。電車についての知識がなくても、興味を持っているのであれば、ぜひ思いきってチャレンジしてください。

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ある一日のスケジュール

8:00

出勤

作業着に着替え、身支度を整えます。

8:30

始業

全体点呼の後、運用区のミーティングがあります。

9:00

作業開始

班長から注意事項の連絡を受け、手順に沿って点検を進めます。
月検査1日目の午前中は、ドアエンジン(扉を開閉するための装置)や、運転台まわりの点検などを行います。

12:00

昼休憩

13:00

作業再開

午後は、ドアの障害物感知装置および開閉時間の調整や、電気を切った状態での運転台まわりの点検などを行います。また、行先表示器などの故障品の修理も行います。

17:15

作業終了

作業を終え、清掃や後片付けをします。