戸越駅がある国道1号線をはさんで約1.3kmにわたって約400件の店が軒を連ねています。関東大震災で被害を受けた中央区銀座から煉瓦敷きを譲り受け、大通りに再利用したことから通り名を「戸越銀座」と命名。全国に数ある「○○銀座」の第一号です。八百屋、肉屋、魚屋、総菜屋などはもちろん、書店、薬局、洋品店、時計屋など、生活に密着した店がずらりと並び、地元客のニーズに応えています。日常使いならではの、比較的手頃な値段設定もうれしいところ。また、無添加、高品質、真心をコンセプトにした「とごしぎんざブランド」を開発し、「戸越銀座コロッケ」やお酒、佃煮などの商品を提供しています。
江戸時代中期、中山道の出発点日本橋から出発して最初の休憩所(立場)が置かれたのが巣鴨庚申塚から江戸六地蔵尊にかけてで、次第に町並みが作られていきました。1891(明治24)年に「とげぬき地蔵尊 高岩寺」が上野から移転されると、2つのお地蔵様と庚申塚に守られて、商業の街、信仰の街として発展。全長約780mの商店街には、老舗を含め甘味や鰻、漬け物など約200の店が並んでいます。巣鴨名物の塩大福を売る「伊勢屋」や「みずの」、定食の「ときわ食堂」などは常に行列ができる人気の店。4のつく日の縁日には、海産物や焼き物、衣料品などの露店も多数出て、さらなる賑わいをみせます。
善福寺の門前町として、300年以上の歴史を誇る麻布十番。麻布十番大通りを中心に、パティオ十番広場があるパティオ通り、雑式通りなどの通りが縦横にのびるエリアで商店街を形成。創業100年以上の老舗が点在するなか、新しいコンセプトの店も並びます。石畳の歩道や街路樹など町並みも整然とし、周辺に大使館が多くあることからインターナショナルな雰囲気も。人気の「浪花家総本店」の鯛焼きを買うには、先に予約してから散策するのがおすすめ。1865(慶応元)年創業の「豆源」では、揚おかきなどを煎る姿がウィンドウから見られます。4月6日(日)には「花まつり」が開催され、都内最大級のお稚児さんパレードが行われます。
三ノ輪橋停留場から荒川一中前停留場まで、線路と並行して延びる約500mのアーケード商店街。1913(大正2)年に王子電車(現在の都電荒川線)が開業した頃から人が集まりはじめ、商店街が形成されました。関東大震災や東京大空襲の被害をほとんど受けず、今も約100軒ほどの店が並んでいます。総菜屋や鮮魚店、金物屋など個人商店が並ぶアーケードを地元のおじさんおばさんが行き交う姿は昔ながらの雰囲気。創業80年を越える老舗も数多く、餃子専門店や珈琲店など専門店が多いのも特徴です。毎月11日には商店街近くに祀られている中島弁財天にあやかった「弁天様の日大売り出し」が行われ、安売りのほか地方の物産展などが開催されます。
明治の初年に秋田藩主佐竹家の上屋敷跡に見せ物小屋、寄席、飲食の屋台等が並び、盛り場となったのがはじまり。芝居を見にきた人が立ち寄る古着商ができ、衣類を中心とした商店が集まり、1898(明治31)年に組織化されました。商店の組織化は金沢の片町商店街に次いで全国で2番目。330mのアーケードの下には約60店が軒を連ね、純喫茶や洋品店、日用雑貨店など、昭和の香りを濃密に漂わせる店も点在します。そんな昭和ムードを生かして映画やテレビCMの撮影地として登場することもしばしば。「佐竹トリビアの泉」と称した「のどの薬 龍角散は秋田佐竹家の家伝薬だった」などの天井から垂れ下がる幕を読み上げながら歩いてみましょう。