様々な本を紹介するだけでなく、セカンドオフィスとしての機能を備えたり、文化情報を提供するところなど、特徴ある図書館が増えています。歴史ある図書館や建物見学が楽しめる図書館など、都営線沿線には魅力的な図書館が数多くあります。
1906(明治39)年に帝国図書館として建てられ、1929(昭和4)年に増築されたこの建物は、東京都の「歴史的建造物」に指定されています。明治と昭和の建物の原型保存に努め、外側に廊下テラスを設けて建物をガラスで覆ったデザインは安藤忠雄氏らによるもの。児童書の専門図書館として2002(平成14)年5月に全面開館しました。国立国会図書館の支部ですが、図書の所蔵は約40万冊と膨大。調査研究のための資料室のほか世界約120カ国の児童書を自由に読める「世界を知るへや」、明治から現代までの児童文学を展示する「本のミュージアム」などがあります。
清澄庭園に隣接する区立図書館。東京勧業博覧会の瓦斯館として使われた建物を移築し、1909(明治42)年、東京で二番目の公立図書館として開館しました。現在の建物は1993(平成5)年に建てられた三代目で、玄関は初代のデザインを再現。二代目で使用されていた「下足預かり」や「階段の手すり」の一部分が残されていて、昭和初期の建築文化を伝えています。蔵書は約20万冊。昭和30年代まで子ども達の娯楽だった紙芝居を複写・展示しており、自由に見ることができます。毎週水曜の15時からは児童向け、第1・3木曜の11時からは 赤ちゃん向けのおはなし会を開催しています。
1919(大正8)年に、旧陸軍の東京砲兵工廠銃包製造所の建物として建てられた赤レンガ倉庫を保存し、新築部分と融合させた図書館です。40万冊近い蔵書を揃え、約3,000㎡のワンフロアに図書をわかりやすく配置。床に段差のないバリアフリー構造となっています。2階のこども図書館には授乳室などを備えた子育て情報支援室があり、赤ちゃん連れでも安心して利用可能です。毎週土曜には小学生までを対象にしたおはなし会や読み聞かせを開催しています。落ち着いた雰囲気のカフェでは借りた本を読みながらくつろげます。
千代田区役所の9・10階にあります。「コンシェルジュ」が常駐し、館内ガイドツアーのほか、千代田区の街情報も紹介。一般開架ゾーンには新聞、雑誌も置かれ、来館者が書斎のように使えるよう、閲覧席が多数設けられています。電源と有線LANが利用できるデスクタイプ席も82席あります。9階フロアは無線LANに接続できるほか、10階の「子ども室」には授乳室もあり、子どもの読書を支援するのみならず、育児に役立つ資料も備えています。区役所の食堂が利用できるので、ティータイムやランチをはさんで、ゆっくり読書を楽しむことができます。区民以外も利用できます。
旧・都立日比谷図書館を改修し、2011(平成23)年11月に千代田区の施設としてオープン。従来の「図書館機能」に「ミュージアム機能」と「カレッジ機能」が加わった複合文化施設です。1階には特別展示室と千代田区の歴史を紹介した常設展示室があります。2・3階が図書フロアで、約300の閲覧席(申込制)を設置。全席無線LANが利用でき、電源付き閲覧席もあります。地下1階に「Library Dining HIBIYA」が、1階に「Library Shop&Cafe Hibiya」があり、本を読みながら食事やお茶もできます。
マンガ家の聖地として知られる「トキワ荘」が豊島区にあったことから、トキワ荘出身のマンガ家の作品を集めたコーナーがあります。閲覧席は一般用173席、児童用44席あり、パソコンが利用できるデスクも設置しています。児童コーナーには絨毯敷スペースがあり、子ども達がのんびりと本を読むことができます。平日は22時まで開館しています。