東京都で唯一、建物が登録有形文化財に指定されている燕湯は、朝6時から朝湯をやっている珍しい銭湯。朝イチの熱い湯が有名で、常連客のため47度程度まで上げているそう。鮮やかな摩周湖の壁画が描かれた浴場には、富士山の溶岩で作られたという岩山が配され、こちらも有形文化財として登録されています。
現主人の祖父が富山県出身だったことから屋号が命名されたという富山湯。女湯の壁画に拡がるのは、銭湯絵師の第一人者・中島盛夫さんが描いたダイナミックな北陸新幹線。清々しい北陸の山々の風景と吹き抜けの浴場がマッチし、開放的な気分で湯に浸かることができます。日替わりで楽しめる薬湯風呂も人気。
江戸時代より文化の中心として栄えた神田に建ち、皇居にもほど近い稲荷湯。その立地から、皇居ランで利用する常連客が多いのが特徴です。イタリアンカラーのタイルが目を惹く浴場には、若手銭湯絵師・田中みずきさんによって描かれた壁画が。色合いも穏やかな富士が明るい銭湯の雰囲気によく馴染んでいます。
創業は江戸時代、この付近に蛇骨長屋があったことが屋号の由来とされている蛇骨湯。浴槽になみなみと注がれているのは黒褐色の湯で、浸かるとサラサラする肌馴染みが特徴です。内風呂からガラス戸を隔てて露天風呂と水風呂が配され、池や小滝を眺めながら浸かる湯は、まさに都会のオアシス。
賑やかな通りから一歩奥まった所にある荒井湯は、唐破風屋根の銭湯らしい佇まい。スカイツリーに近い場所柄、浴場にたくさん貼ってあるスカイツリーの写真が銭湯の名物に。また、脱衣所の横から出入りできる「ベランダ」では、池を優雅に泳ぐ錦鯉を見ながら、湯上りに夕涼みすることができます。
二重千鳥破風の立派な構えに煙突が目印の江北湯は、番台前にロビーを設えてゆったりした造り。浴場は颯爽とした富士の壁画と、壁画下には熱帯魚のチップタイル絵が躍り、色鮮やかな雰囲気に包まれています。湯上りは、脱衣所から広い縁側に出て、端正な庭を眺めながら涼しい風に当たることができます。