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交通局経営レポート

災害に強く、事故のない都営交通をめざして

交通事業者にとって、お客様の安全・安心の確保はサービスの基本であり、最も重要な使命です。

交通局は、安全に係る基本的な姿勢を示した「安全方針」を定め、それを具体化した「安全重点施策」を毎年度策定し、これを着実に実施することにより、安全・安心の確保に努めています。

安全方針

私たちは、お客様の安全・安心を何よりも大切にし、災害に強く、事故のない都営交通をめざします。

このため

  • 決められたルールを確実に守ります。
  • 日頃から情報を共有し、事故の“芽”を摘むことに努めます。
  • 安全・安心な車両、設備などの提供に努めます。
  • 安全を守るための取組を絶えず見直し、改善に努めます。

安全管理体制の強化   ステップアップ2010

平成18年10月の運輸安全一括法の施行により鉄道事業法や道路運送法などが改正されたことに伴い、交通局は「安全管理規程」を制定して、安全管理の責任体制及びその管理方法等を定めました。

これに基づき、局長を委員長とする安全対策推進委員会で安全重点施策を策定(plan)し、局全体で実行(do)に移し、その結果を確認・評価(check)して、見直し(action)を行うことで、経営トップから現場事業所まで一丸となった継続的な改善に結びつけています。

画像:安全管理規程

安全に関する設備投資

お客様の安全・安心を確保するための設備投資に重点的に取り組んでいます。

平成22年度は、駅の防災改良工事や変電設備の機能強化などに約247億円を投資しました。

設備投資額の推移(電気事業を除く。)
画像:設備投資額の推移

安全報告書

安全に関する取組状況、事故の発生状況と再発防止対策などを取りまとめた「安全報告書」を作成・公開しています。ホームページからダウンロードして御覧いただけます。

東京都交通局ホームページ> 経営情報> 安全報告書
アドレス : http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/information/safety/index.html

都営地下鉄の安全運行

運転事故・輸送障害<都営地下鉄>

平成22年度の運転事故は8件(ホームでの車両との接触6件、ホームからの転落2件)でした。

また、輸送障害は13件(自殺目的による飛び込み6件、車両・施設等のトラブル2件、自然災害5件(雪害1件、震災4件))でした。

運転事故・輸送障害の推移
画像:運転事故・輸送障害の推移

単位:件

年度 19年度 20年度 21年度 22年度
運転事故 3 7 8 8
輸送障害 16 13 8 13

注1)運転事故:列車衝突・列車脱線・列車火災・踏切障害・道路障害・鉄道人身障害・鉄道物損の各事故
注2)輸送障害:鉄道による輸送に障害を生じた事態で、運転事故以外のもの
注3)この他に、電気事故が21年度に1件発生しました。
注4)災害及びインシデント(運転事故が発生するおそれがある事態)の発生はありませんでした。
注5)震災とは、東北地方太平洋沖地震により、運転を一時見合わせたものを言います。地下鉄各線で1件ずつ計上しています。

都営地下鉄の安全対策(安心して列車にご乗車いただくために)

(1)新型ATS   ステップアップ2010

制限速度を超えて信号機を通過したときに、自動的にブレーキをかける装置を導入しています。

【計画】22年度までに浅草線のATSを、ATC並みの機能を持つ新型ATS(C-ATS)に改良
【実績】浅草線に導入済み

注)ATS:自動列車停止装置(Automatic Train Stop)

(2)ATC

先行列車との間隔やカーブなどの条件によって決まる制限速度を超えたときに、自動的にブレーキをかけて列車の速度を制御する装置を導入しています。

三田線・新宿線・大江戸線に導入済み

注)ATC:自動列車制御装置(Automatic Train Control)

(3)運転士異常時列車停止装置

運転士が急病などで運転できなくなったときに、自動的に列車を停止させる装置を設置しています。

21年度までに145/145編成に設置済み(100%)

(4)非常通報器(車内インターホン)

車内で異常が発生したときに、お客様から乗務員や運輸指令所に通報できる装置を設置しています。

1,094/1,094両に設置済み(100%)

(5)連結部転落防止幌

ホームから車両と車両との間への転落を防止するため、車両間に幌を設けて隙間を少なくしています。

872/872両に設置済み(100%)

注)872両:全1,094両からホームドアが設置されている三田線の222両を除いた数

(6)変電所の機能更新   ステップアップ2010

列車の安定輸送を確保するため、変電所の設備を機能強化した最新の機器に更新しています。

年度 19年度 20年度 21年度 22年度
更新箇所 2所 5基 2所 3基 2所 9基 1所 2基
【計画】24年度までに4変電所 4基の設備を更新予定
【実績】浅草線1基、新宿線1変電所 1基を更新

(7)AED   ステップアップ2010

お客様が心臓のポンプ機能が失われる心室細動の状態になったときに、速やかに心肺蘇生を行えるよう、自動体外式除細動器(AED)を、地下鉄の全改札口に設置しています。

【計画】22年度までに地下鉄の全改札口に設置
【実績】改札口(72か所)に増設し、地下鉄の全改札口に設置完了

写真:新型ATS(C-ATS)

新型ATS(C-ATS)

写真:運転士異常時列車停止装置

運転士異常時列車停止装置
(ハンドルから手を離すと列車が自動停止)

写真:非常通報器(車内インターホン)

非常通報器(車内インターホン)

写真:連結部転落防止幌

連結部転落防止幌

写真:AED
AED

都営地下鉄の安全対策(安心して駅をご利用いただくために)

(1)防災改良工事(排煙設備及び二方向避難路)

駅構内に煙が拡散しないよう強制的に煙を排出する設備と、避難路がふさがれたときでも別の経路を選択できるようにする二方向避難路の整備を進めています。

年度 19年度 20年度 21年度 22年度

(割合)
77/93
(83%)
84/93
(90%)
86/93
(92%)
90/93
(96%)
【実績】4駅を整備(90駅の整備を完了)

注)93駅:全106駅から他社が管理する駅[5]と地上駅[8]を除いた数(他社管理5駅は整備済み)

(2)蓄光板(蓄光式避難誘導明示物)

駅構内が煙で見えづらくなった場合でも避難方向が識別できるよう、自然発光素材を使った避難誘導サインを設置しています。

19年度までに対象93駅に設置

注)93駅:全106駅から他社が管理する駅[5]と地上駅[8]を除いた数(他社管理5駅は設置済み)

(3)出入口止水板

集中豪雨等による駅出入口からの浸水を防ぐため、必要な箇所に止水板を設置しています。

対象322か所に設置

注)322か所:沿線自治体のハザードマップにおける浸水予想地域にある出入口の数

(4)駅構内監視カメラの機能強化   ステップアップ2010

駅構内の防犯機能を高めるため、ホームに設置している運転用の監視カメラを活用して、ホーム上の映像を記録します。また、改札窓口にもカメラを新設します。

年度 19年度 20年度 21年度 22年度
ホーム(駅)
(割合)
33/101
(33%)
44/101
(44%)
54/101
(53%)
70/101
(69%)
改札窓口(駅)
(割合)
0/101
(0%)
0/101
(0%)
0/101
(0%)
16/101
(16%)
【計画】24年度までに、ホーム運転用カメラの機能強化47駅(達成後101駅)、改札窓口カメラの新設(達成後47駅)予定
【実績】ホーム運転用カメラの機能強化16駅、改札窓口カメラの新設16駅を整備

注)101駅:全106駅から他社が管理する駅[5]を除いた数(他社管理5駅は整備済み。)

(5)列車緊急(非常)停止ボタン(スイッチ)

お客様がホームから転落したときなどに操作して、駅付近の列車を停止させる装置を設置しています。

103/103駅に設置済み(100%)

注)103駅:全106駅から三田線の他社管理駅[3]を除いた数

写真:防災改良工事(日本橋駅)

防災改良工事(日本橋駅)

写真:蓄光板(蓄光式避難誘導明示物)

蓄光板(蓄光式避難誘導明示物)

写真:出入口止水版

出入口止水版

写真:非常停止ボタン
非常停止ボタン

大江戸線ホームドアの設置   ステップアップ2010

大江戸線では、ホーム上の安全対策を強化するため、平成22年度からホームドアの設置工事を進めています。

平成23年度の清澄白河駅を皮切りに、特に混雑する東南部から順次設置・稼働を行っていきます。

平成25年6月には大江戸線全駅に設置完了する予定です。

写真:大江戸線ホームドア

地下鉄シミュレーターの活用

地下鉄乗務員の運転能力と、事故や故障時の異常時対応能力を強化するため、浅草線電車運転シミュレーターを更新しました。また、新宿線乗務員養成シミュレーターを新たに導入し、研修に役立てています。

今後は運転士養成・車掌養成で活用することはもちろん、乗務員による3年目のフォローアップ研修や、10年目のアドバンスト研修などにも活用し、お客様の信頼に応えるため、職員の安全意識と業務知識のさらなる向上を目指します。

写真:地下鉄シミュレーター

都営バスの安全運行

事故・車両故障等<都営バス>

平成22年度、国土交通省に報告した事故等の件数は107件でした。

単位:件

項目/年度 19年度 20年度 21年度 22年度
車両火災 0 0 1 1
歩行者・自転車等との接触 1 3 4 5
オートバイとの接触 2 1 2 1
タクシーとの接触 1 0 1 0
発車時、急停車による車内転倒 4 17 2 1
ドアきょう圧による車内事故 3 1 0 0
乗務員の疾病による運行中止 4 7 2 0
乗用車からの被追突事故 0 0 0 1
乗務前点呼の一部不良 0 0 0 1
自動車の装置の故障 161 127 88 97
176 156 100 107

注)道路運送法及び自動車事故報告規則に基づき国土交通大臣に報告した事故等の件数

都営バスの安全対策

(1)デジタルMCA無線(音声通話専用無線)

災害時の情報収集や迅速な避難誘導指示を行うための通信手段として、音声通話専用無線を設置しています。(平常時は運行管理に活用しています。)

1,462/1,462台に設置済み(100%)

(2)ドライブレコーダー   ステップアップ2010

車両に設置したカメラで車両周辺及び車内の状況を撮影し、映像と走行データ(速度、ブレーキ、ウインカーの状況など)を記録する装置を設置しています。

記録した映像やデータは乗務員の安全教育の資料として活用しています。

年度 19年度 20年度 21年度 22年度

(割合)
46/1,474
(3%)
138/1,456
(9%)
138/1,464
(9%)
138/1,462
(9%)
【計画】24年度までに全車両に導入予定

写真:ドライブレコーダーを活用した乗務員研修

ドライブレコーダーを活用した乗務員研修

ハザードマップの作成

アンケートにより乗務員から収集した「ヒヤリ・ハット情報」に基づいて、バス路線における運転上の注意箇所を示した地図(ハザードマップ)を、全ての営業所で作成しています。

注)ヒヤリ・ハット:事故には至らなかったが、ヒヤリ又はハッとさせられた、事故につながりかねない事例

都電荒川線の安全運行

運転事故・輸送障害<都電荒川線>

平成22年度の運転事故は12件(軌道敷内における車両との接触6件、踏切障害4件、人身障害2件)でした。

また、輸送障害は3件(第三者による軌道内支障及び計画停電2件、自然災害1件(震災))でした。

運転事故・輸送障害の推移
画像:運転事故・輸送障害の推移

単位:件

年度 19年度 20年度 21年度 22年度
運転事故 2 5 3 12
輸送障害 1 9 3 3

注1)運転事故:車両衝突・車両脱線・車両火災・踏切障害・道路障害・軌道人身障害・軌道物損の各事故
注2)輸送障害:鉄道による輸送に障害を生じた事態で、運転事故以外のもの
注3)電気事故(感電死傷、電気火災等)、災害及びインシデント(運転事故が発生するおそれがある事態)の発生はありませんでした。
注4)震災とは、東北地方太平洋沖地震により、運転を一時見合わせたものを言います。

都電荒川線の安全対策

(1)ブレーキランプ

電車同士の追突や自動車との接触を防ぐため、ブレーキ作動時に点灯するランプを設置しています。

41/41両に整備済み(100%)

(2)車載映像記録装置

運転席からの前方映像や走行状況を記録する装置を設置しています。

41/41両に整備済み(100%)

(3)速度制御装置

最高運転速度を超過することがないよう、時速40 kmを超えるとノッチ(アクセル)を入れていても自動的に加速を停止させる装置を、順次設置しています。

年度 19年度 20年度 21年度 22年度

(割合)
1/39
(3%)
4/42
(10%)
7/42
(17%)
12/41
(29%)
【実績】新型車両の導入に併せて5両に設置

(4)運転手異常時電車停止装置

運転手が急病などで運転できなくなったときに自動的に電車を停める装置を順次設置しています。

年度 19年度 20年度 21年度 22年度

(割合)
1/39
(2%)
4/42
(10%)
7/42
(17%)
12/41
(29%)
【実績】新型車両の導入に併せて5両に設置

写真:ブレーキランプ
ブレーキランプ

日暮里・舎人ライナーの安全運行

運転事故・輸送障害<日暮里・舎人ライナー>

平成22年度の運転事故はありませんでした。

また、輸送障害は2件(第三者障害1件(計画停電)、自然災害1件(震災))でした。

運転事故・輸送障害の推移
画像:運転事故・輸送障害の推移

単位:件

年度 19年度 20年度 21年度 22年度
運転事故 0 0 0 0
輸送障害 0 5 3 2

注1)運転事故:車両衝突・車両脱線・車両火災・踏切障害・道路障害・軌道人身障害・軌道物損の各事故
注2)輸送障害:鉄道による輸送に障害を生じた事態で、運転事故以外のもの
注3)電気事故(感電死傷、電気火災等)、災害及びインシデント(運転事故が発生するおそれがある事態)の発生はありませんでした。
注4)震災とは、東北地方太平洋沖地震により、運転を一時見合わせたものを言います。

日暮里・舎人ライナーの安全対策

(1)ATO・ATC

「出発~次駅での停止~ドアの開閉」をコンピューター制御で行うATOと、制限速度を上回ったときに自動的にブレーキをかけるATCを導入しています。

導入済み

注1)ATO:自動列車運転装置(Automatic Train Operation)
注2)ATC:自動列車制御装置(Automatic Train Control)

(2)非常通報器・非常停止ボタン

車内で異常が発生したときに、お客様から指令室の係員に通報できる非常通報器と、緊急時には列車を自動的に停止させる非常停止ボタンを設置しています。

70/70両に設置済み(100%)

(3)ホームドア

お客様の転落や列車との接触事故を防止するため、ホームドアを設置しています。

13/13駅に設置済み(100%)

写真:非常通報器・非常停止ボタン
非常通報器・非常停止ボタン

写真:ホームドア
ホームドア

都営交通 安全の日

「6月13日」は、平成6年に浅草線浅草橋駅で死亡事故が、平成18年に都電荒川線で衝突事故(負傷者27名)が発生した、交通局として決して忘れてはならない日です。

そこで、お客様の安全・安心の確保を最優先にする姿勢と決意を示す取組として、6月13日を「都営交通 安全の日」と定め、この日を中心に、幹部職員による職場巡回や研修(講演会)などを実施しています。

このような事故を二度と繰り返さないよう、職員一丸となって安全な輸送サービスの提供に取り組んでいきます。

写真:事故防止研修
事故防止研修