- PROFESSIONAL WORKER ENCYCLOPEDIA
- Vol.10 建設工務部

花田洋介(はなだ・ようすけ)(右)
鷹野有彩(たかの・ありさ)(中央)
天川達志(あまかわ・たつし)(左)
多くのお客様が利用する泉岳寺駅。
安全で快適に使っていただくため
難しい工事に挑む
―みなさんが現在担当されている泉岳寺駅の改良事業とは、どんな事業ですか?
花田 泉岳寺駅は都心と空港を結ぶ重要な駅であり、日々多くのお客様にご利用いただいています。駅周辺の市街地再開発に伴い、今後さらにお客様の増加が見込まれるため、ホーム幅を現在の約5mから約10mに広げ、エレベーターなどを増設する大規模改良工事を行っています。
鷹野 地中にあった下水道や電線共同溝の移設がほぼ終わり、今は地盤を掘削する時に土砂が崩れるのを防ぐ土留杭を打ち込む工事が進んでいます。私と天川さんはその工事の行程や安全を管理する工事監督、周辺の工事事業者との調整を担当しています。
天川 泉岳寺駅の周りでは、大規模な再開発ビルの建設なども進んでいます。資材置き場やヤードとして使える場所が限られているため、どの事業者がいつどの場所を使うか、といった調整を丁寧に行わなければ工事が進められないんです。さらに、駅の上には国道15号が走っているので、道路管理者や警察への連絡調整も頻繁に行います。たくさんの関係者との調整作業には、特に気を遣いますね。
この先経験できない? 営業しながらホームを拡幅
―この工事ならではの難しさはありますか?
天川 地下鉄や国道の交通を維持しながら工事をしなければならないのは難しいなと感じています。地下鉄を営業しながら駅のホームを拡幅する工事は、あまり例のないことなんですよね。
花田 そうなんです。一般的には新しいホームや線路を別に作りながら工事をすることが多いですが、泉岳寺駅では今ある線路とホームを毎日使いながら工事を進めていく予定です。終電から始発までの夜間に、小型の機械を使って少しずつ工事していくので、時間もかかります。限られた時間と場所で安全に工事を進める難しさは、ほかの工事以上だと思います。
鷹野 ベテランの方でも「新駅を作ったことはあるけど、営業しながらホームを拡幅する工事ははじめて」と聞きました。でも、みんな経験値がフラットなので、若手からベテランまで意見を出し合えて、職場は良い雰囲気ですよね。
花田 こんな改良工事はなかなか経験できないから、二人にはぜひ長く関わってほしいな。
鷹野 できれば最後まで見届けたいですよね。
天川 そうですね。
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My Work’s Spirit is...

後に続く工事のことも見据え 一歩ずつ着実に前進
一歩一歩、着実にステップを踏んで前に進んでいくことを大事にしています。営業運転しながらのホーム拡幅、限られたヤード、夜間の工事、再開発事業との調整など、難しい条件下での工事ですから、日々気を抜くことが許されない緊張感があります。ただ、難しい分だけ計画通りに進んだ時の達成感はひとしおです。私たちが担当している工事は、事業全体のまだ前半部分。ホーム拡幅工事が完成するのは、令和9年度の予定です。後に続く工事の内容まで見通して、よりスムーズで安全に工事を進められるよう知恵を絞っていきたいと思っています。