9月1日は防災の日。その日を中心とした一週間の防災週間に合わせて『東京防災』の公式キャラクター、防サイくんが都営交通に遊びにきてくれました。防サイくんが都営交通の防災についてレポートしてくれます。
第3回都バスにおける防災対策
今日は都営バスの防災について調査してもらうため、防サイくんに「巣鴨自動車営業所」に来てもらいました。こちらは巣鴨駅近くの池袋−浅草周辺を結ぶ2路線を主軸にしている営業所。元都電の巣鴨電車営業所の跡地に位置しています。バスがずらりと並ぶ中、庶務主任助役・梅澤さんにインタビューに答えていただきました。
−わ〜っ都バスがいっぱい!
「都営交通(東京都交通局)は都営地下鉄、都電、新交通システム(日暮里・舎人ライナー)、モノレール(上野動物園)、都営バス、水力発電と6つの事業を運営しているんです。都営バスは、1924年に関東大震災で被害を受けた東京市電の代わりに都民の足として、乗合バスの運行が始まったのが起源です。今年で92周年を迎えました」
−バスの災害対策はしているんですか?
「東日本大震災の際もバスは夜通し運転していました。あの時は携帯電話などがなかなか通じない中、無線は問題なく通じていましたので、こちらでは無線の強化と、震災以降に衛星電話を導入しています。もともと配備されていたMCA無線に加え、今では全営業所に衛星電話も完備されています」
−MCA無線??くわしく教えてくだサイ!
「運行中のバス車両に、本局および営業所から一斉に連絡ができるシステムです。こちらのモニターで巣鴨自動車営業所の管轄のバス路線の運行状況を、リアルタイムで管理しています。遅延状況を見ながら運転手への連絡をしたり、落とし物・忘れ物の連絡なども、このMCA無線を使います」
−災害時だけでなく、いつもの連絡に使ってるんですね〜
「MCA無線は東日本大震災以前から使っています。震災時は14時46分の地震発生後、直ちにMCA無線で全車両に運行中止を指示し、安全確認後16時から全路線で運行を再開、終夜運行を行いました。運行にあたっても、本局からMCA無線を使って全車両に鉄道の運行状況などをリアルタイムで伝え、車内のお客様には運転手から的確な案内をするよう努めました。その時、都内の主要道路は特に下り方向がどこも大渋滞だったため、所要時間が通常の数倍もかかったバスもありましたが、運行をやめることはありませんでした」
−今度は運転席を見せてくだサイ!このMCA無線は運転手さんが使うんですか?
「そうです。先ほど説明したように、本局と営業所の通信手段で使います。運転手から話すのは、信号などで停止している時のみですが、本局や営業所からの連絡は、運転席の後ろのスピーカーから聞こえますので、非常時の連絡などには困りません」
−もし停電になったら、つながらなくなっちゃうんですか?
「大丈夫ですよ。いざという時のために設置されているのがこの非常用発電機です。この建物自体が東日本大震災以降に建てられたもので、万が一に備えて様々な設備を導入しています。先ほどの衛星電話やMCA無線を使いつづけるための電力はもちろん、停電になった場合にバスの給油機を動かすのが一番の目的です。こちらの発電機は軽油で動かすため、使う時はここまで軽油を運ばないとなりませんが、巣鴨自動車営業所のバス、102両全部を動かすための軽油は、おおむね3日間分が下のタンクにあります。こちらも何かあった時のために、いつでも満タンにしてあります」
−なるほど〜!もしもの時は、頼りにさせてくだサイ!
「災害時も都営バスはできる限り都民のみなさんの足であろうと思っています。緊急地震速報(震度4以上)を受信した場合、都営バスでは危険箇所を避け、バスを道路の左側に寄せて停車という決まりがあります。安全面への配慮は一番に考えています。都以外でも、東日本大震災の時は東北方面への輸送面での支援を行いました。物資の運搬、職員の派遣のほか、震災後、東北地方のバス事業者のバス車両が多数被災したことから、都営バス約60台を譲渡しました」
−災害時は、みんなで助け合うのが大切ですよね〜
次回は実際の地下鉄利用時の避難経路や、駅での防災アクションについて、防サイくんに調査をしてもらいます。