写真家エリックが捉えた都営交通
エリック氏はストリートで出くわす人々を至近距離で撮影することを得意とする写真家です。その作品は力強く、被写体となった人々の内面をカラフルかつヴィヴィッドに捉えています。今回、その彼にコロナ禍の都営交通の風景を撮影していただきました。今我々が直面しているこの時代はやがて歴史となり、これらの写真は貴重な記録となるのではないでしょうか。
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- エリック (1976年 香港生)
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1976年中国出身の両親のもと香港に生まれる。1997年に来日し、アルバイト先の東京の写真屋「西村カメラ」で写真を学ぶ。2001年に東京ビジュアルアーツ卒業。同年「蓄積と未来」でコニカフォトプレミオ大賞受賞後、2002年「一日と永遠」で第19回写真ひとつぼ展グランプリ、2004年「every where」で第2回ビジュアルアーツフォトアワード大賞、2009年「中国好運|GOOD LUCK CHINA」で第9回さがみはら写真新人奨励賞など受賞多数。主な写真集に『中国好運』(2008年 赤々舎)、『Look at this people』(2011年 赤々舎)、『EYE OF THE VORTEX』(2014年 赤々舎)。2016年より岡山在住。
――コロナ禍の東京の風景、エリックさんにはどのように見えたでしょうか。
「(コロナ禍の)この状況でも、みんな、カッコ良く生きていると感じます。その点でコロナ前とあんまり変わってはいないと思います。カッコ良く決めてます。マスクだって意識して選ばれています。僕は、日常が壊れてしまったとはあんまり思わない。新しい日常になったって感じです。マスクも、新しいファッションアイテムが一つ増えたってことです。今回は急激に変わったけど、日常は変わっていくものだと思います。」
――他の世界の都市と比べて、東京はどのような特徴があるでしょうか。
「香港と比べると、都市の様子がダイナミックに変わっていく、そのエネルギーと速さが似ています。建物や看板の街の光景は、日本も、アジアのゴチャゴチャと似ていると思うんです。でも、東京が整然としている印象が強いのは、みんながどこでもきちんと列を作るからかなと思います。それって、本当にすごいことです。どこの国の人たちもみんな驚くはずです。駅のホーム、バス乗り場だけじゃなくて、遊園地だってそう、居酒屋の前では酔っ払いまで列を作っている。」