9月1日は防災の日。その日を中心とした一週間の防災週間に合わせて『東京防災』から防サイくんが「都営交通」に遊びに来てくれました。
防サイくんは、『東京防災』のマスコットキャラクターで防災に興味津々の3歳のサイの男の子。
それではさっそく、防サイくんに都営交通の防災について、調査してもらいましょう。今日は東京都交通局 総合指令所の伊田副所長にインタビューします!
第1回都営地下鉄の秘密基地、総合指令所に防サイくんが潜入!
−ここはどんなことをするところなのか、教えてくだサイ!
「都営地下鉄は109km、106駅ありまして、総合指令所はその全体を運行管理している所です。電車を動かすためには駅や駅係員、電車を動かす乗務員、保守を行う保守係員などが必要です。総合指令所というのは、それらの扇の要的な存在なんです。セクションは5つ、運輸指令・旅客指令・電力指令・信号通信指令・車両指令に分かれて機能しています。交通局に求められている、安全・安心の確保ということを実現するために列車運行を支援するこのような組織があるのです。飛行機で言う管制塔みたいなものですね」
−わあ、たくさんのモニターが並んでる!みなさん何をしているんですか?
「今、都営地下鉄は浅草線、三田線、新宿線、大江戸線の4線あります。それぞれの名前が書いてあるモニターや運行表示板の前に座っている人たちは運輸指令員で、モニターを見ながら駅や列車に対して指示を行っています。
何もなければ穏やかな状態なんですが、台風や大雨など、災害が起きると一変します。通常通りの列車の運行が難しくなってしまうので、あらかじめ予報がわかっている場合は、計画運休といって事前に列車の本数を減らす通知をこちらから出したりします。通常でも朝のラッシュ時や終電の列車接続の時間調整などを行います」
−へえ〜!ほかにはどんなことをしているんですか?
「車内で急病人などトラブルがあった時は、浅草線・新宿線は車掌がいるので、まず車掌に連絡が行き、そこから無線でこちらの指令室に連絡が来ます。しかし三田線・大江戸線には車掌がいないので、各車両に付いている車内非常通報器をお客様が押され、運転士が応答できない場合には、10秒経つと直接こちらに連絡が来る仕組みになっています。そこでお客様と直接話をしたりすることもあります」
−もしも地震が起きたときは、何をするんですか?
「早期地震警報システムというのものがありまして、強い揺れが予測される時には指令室に警報が出て、予測震度と発生までの秒数も表示されます。列車には緊急停止の自動音声が発せられ、大きな揺れが到達する前に列車を止める手配をします」
「規定上、震度3までは平常運転、震度4になると各列車時速25km以下で注意運転しつつ駅や保線区に連絡をし、点検をします。震度5弱になるとトンネル内であっても列車を一旦停めます。そして最徐行し時速5km以下で次の駅まで運転して、お客様に降りていただきます。震度5強になると職員自身が線路上を歩いて点検しないとならないので、すぐに運行再開というわけにはいかなくなります」
−ふむふむ。あっ、そういえば地震計はどこにあるんですか?
「都営地下鉄109km内には、一カ所につき半径2.5kmの範囲をカバーする地震計が16カ所設置されています。そこで感知された地震はゾーン地震計の方に表示されます。
地震が起きてもお客様に列車を降りて歩いていただくようなことがないよう、努めています。」
−地震以外の防災についても教えてくだサイ!
「それぞれの路線の防災盤には火災・浸水・浸水防止器・防水扉・風速の情報が表示されます。三田線と新宿線は列車が地上を走る区間があるため、風速計が設置されていて、規制値を超えると警報が鳴ります。そしてそれに応じた速度規制や運転見合わせを行います。浅草線・新宿線・大江戸線は、浸水対策としてトンネル内に防水扉も設置されています」
−停電になったら、こういうシステムはどうなっちゃうんですか?
「万が一停電になった場合、自家発電装置だけで一定の時間は持つようになっていますので、通信機器が途絶えたりモニターが消えたりすることはありません。この建物自体も免震構造になっていて、地震に対しては最大限の対策をしています」
−なるほど〜っ。勉強になりました!今日も東京のみんなを守っていてくだサイ!
次回は設備の防災対策を紹介!ゲリラ豪雨、台風発生時の浸水対策や高架下の耐震対策について、防サイくんにレポートしてもらう予定です。
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