想いを運ぶ東京都交通局の仕事

電車運転[地下鉄]

電車部 清澄乗務管理所 清澄乗務区

後藤 隆之

2012年入局

大学卒業後、某大手小売企業に就職し、約10年にわたり販売業務に携わる。結婚を控え転職を考えていたところ、乗っていた地下鉄の中吊り広告で東京都交通局の採用を知る。入局後は鉄道営業を1年半、電車車掌を3年半経験した後、選考試験を通過して運転士へ。

「おもてなし」の気持ちで
東京を走る
安全で快適な運行も
サービスの一つ

仕事と魅力

ワンマン運転、自動運転の大江戸線で
安全性と定時運行を両立させる

私は都営大江戸線の運転士として、電車の運転、ドア操作、案内放送などを一人で担当しています。都営地下鉄では大江戸線、三田線、新宿線の3路線にて全駅のホームドア設置を完了しており、中でも大江戸線、三田線では自動運転も導入し、電車車掌のいないワンマン運転を行っています。非常時には従来どおり手動で運転を行いますが、普段は出発後の加速や駅接近時の減速・停止は自動で行われるため、大江戸線の運転士はドアの開け閉めや車内放送といった、電車車掌に近い業務も担当するのが特徴です。
大江戸線は小さな車両でありながら多くのお客様が利用されるため、ラッシュ時のドア操作や安全確認には非常に神経をつかいます。大勢のお客様の命を自分の腕一つでお預かりし、安全性を確保しながらも定時運行を守っていくのは重責といえます。ですが、自分の仕事が大都市・東京を支えていることには誇りに感じています。1日の勤務を無事に終えられた時、始めてほっとし、また達成感を覚えます。

画像:後藤隆之

想いとエピソード

運転士にも「おもてなし」の気持ちが必要
お客様を想いながら技術の向上に努める

私は普段の業務において、おもてなしの気持ちを持ち続けるように心がけています。運転士がお客様と直接接する機会は、鉄道営業などの仕事と比べれば確かに多いとはいえませんが、「接客」という意味では同じだと考えています。
電車の安全性や快適な運行は、運転士がお客様に提供するサービスの一つである―。そう考えるようになったきっかけは、以前、お客様からいただいた言葉でした。車掌時代も今も車内放送を行うことがありますが、以前の私は、本当にお客様は耳を傾けてくれているのだろうかと疑問を感じていました。そんなある日、停車中にお客様から直接お褒めの言葉をいただき、やはり必要とされる方には届いているのだと自信が持てるように。それからは一層、お客様のことを想像しながら、もっとわかりやすい、もっと明瞭な放送を意識するようになりました。そして今、運転技術もお客様への案内も、技術の向上に終わりはないのだと自分に言い聞かせながら業務に当たっています。

夢・目標

指導職を目指すか、運転士を継続するか
多様なキャリアを選べるのは
東京都交通局の魅力

私は運転士に憧れて東京都交通局に入局し、鉄道営業、電車車掌という道を経て、運転士になりました。そして将来的には、若手乗務員に技術を継承する指導職になりたいと考えながらキャリアを歩んできました。指導職になれば、研修の資料作成や進行、事故などの緊急時対応、乗務員の資質や勤怠管理などが主な業務となり、より広い分野に関わることになります。現場の運転士とは一味違うやりがいがあるはずです。
ですが、先日4人目の子どもが生まれてプライベードが多忙になったこともあり、今後のキャリアに悩むようになりました。電車の運転士という仕事は多くの子どもの憧れであり、私自身も駅停車中などに子どもから手を振ってもらい、微笑ましくなることがあります。自分の子どもたちに運転士としての姿を見せたいという気持ちも強くなり、現在の職を継続していくことも考えています。
キャリアアップを目指すか、現在の仕事を続けるか。個人のライフスタイルに応じてキャリアを描きやすい点も東京都交通局の魅力だと思います。

画像:後藤隆之

4Question

  • 今の仕事、「ここを見てほしい」といえば?

    大江戸線は、自動運転で運行しています。そのため、運転業務はかなり軽減されていますが、ホーム進入時は列車と接触が無いように細心の注意を払っています。また、ドア操作の際は、お客様の動向に注意し、目でモニターを監視し、耳で乗降促進音、ドアの閉扉音などを聞き、ドアによる事故が無いように努めています。

  • プライベートは何をしている?

    子どもが4人いるので、最近は育児で大忙しです。4人目の子が生まれる前は、同僚と一緒にサーフィンやマラソン、登山、サイクリング、フットサルなどのアクティビティを楽しんでいました。いろいろな趣味を持った同僚が多いのも職場の魅力です。

  • 入局して一番成長したところは?

    安全に対する意識です。自動運転が導入されていても非常時には手動で運転する必要があり、ホームドアがあっても転落などの事故が起こる可能性はあります。さらに安全性を高めるため、今でも運転技術の向上には取り組んでいます。

  • 未来の仲間に一言

    職場はとてもアットホームな雰囲気で働きやすいと感じています。プライベートでの交流も多く、趣味などを通じても絆が深まっていると感じます。そして、その絆が安全の支えになっています。ぜひ一緒に、「東京の顔」として東京を支え、盛り上げていきましょう。

画像:後藤隆之

ワンデイスケジュール

  • 11:30

    出勤

    出勤後、更衣室で制服に着替え、点呼場でアルコールチェックを実施します。

  • 12:00

    出勤点呼

    点呼では運行管理者から注意事項などを聞き、その日に乗務する列車ダイヤが示された「仕業(しぎょう)」と呼ばれる行路表を確認します。

  • 12:30

    乗務開始

    大江戸線内を運行します。ダイヤによって異なりますが、間に2度ほど休憩を挟みます。休憩時間は合計で2時間程度です。

  • 23:00

    仮眠

    清澄乗務区や車庫内などの仮眠室で4時間ほど仮眠を取ります。仮眠を取る場所は勤務によって異なります。

  • 4:00

    起床

    身支度を整えて準備します。

  • 4:30

    出庫点検

    車庫で車両の電源を立ち上げ、各動作やブレーキなどに異常がないかを点検します。

  • 5:00

    乗務開始

    1往復程度運転した後、間に休憩を挟み、もう1往復程度運転します。

  • 8:00

    乗務終了

    清澄乗務区に戻り、乗務終了です。

  • 8:45

    退勤点呼

    異常などがあれば報告し、退勤点呼を取ります。翌日の勤務について確認し、退勤します。