想いを運ぶ東京都交通局の仕事

鉄道営業(駅係員)

電車部 馬喰駅務管区 馬喰駅務区

松本 和斗

2020年入局

民間の小売業や商社に勤務した後、以前から憧れていた鉄道の仕事に携わるために東京都営交通協力会に入社。代々木駅で駅務に従事する。鉄道の安全を守る難しさや仕事のやりがいを知った後、自分の可能性をさらに広げたいと考え、東京都交通局の採用試験を受験。

接客と鉄道が
好きな人にとっては天職
お客様に直接サービスを
提供できる充実

仕事と魅力

窓口やホームに立ち
直接お客様の役に立つ駅の顔

鉄道営業とはいわゆる駅係員であり、改札窓口における運賃の精算業務やお客様に対する案内、ホーム上で安全を確認するホーム監視業務などを行っています。私が勤務する馬喰横山駅は、多い時で1日10万人以上ものお客様が利用されるため、案内や精算業務では正確さや丁寧さに加えてスピーディーな対応も求められます。特に混雑する朝のピーク時には、チームで上手く連携することも不可欠です。
今はスマホで目的地までのルートが簡単に検索できる時代ですが、東京の地下鉄は複雑に入り組んでいることもあり、乗り換えの質問に来られるお客様は多くいらっしゃいます。私たち職員同士でも、目的地までの早いルートなどを議論して、お客様のご要望に応えられるように準備しています。また、毎年春になると、新社会人や上京してきた学生のお客様から定期券に関する相談も増えます。毎日利用される方ばかりではなく、地方や外国から来られるお客様など、様々な方のお役に立ち、感謝の言葉をいただけるのが鉄道営業の魅力です。

画像:松本和斗

想いとエピソード

運転見合わせで混乱発生
お客様の立場に立った誘導を行う

鉄道営業の仕事では、お客様の立場に立った対応が重要です。馬喰横山駅にはJRからの乗り換え口があるのですが、以前、JRが運転見合わせになった時、大勢のお客様が私たちのいる改札に流れてきたことがありました。改札前は人であふれてしまいましたが、お客様は一人ひとり行き先が違うので、マイクで一斉に案内するわけにはいきません。そこで私たちは一人ひとりに対して乗り換えの案内を行い、都営新宿線への誘導を進めていきました。
夜の20時頃の出来事で、多くのお客様は帰宅中でお疲れの状態でした。そんな中、私たちがルート案内にまごついていては、すぐに窓口がパンクして、お客様をさらに困らせてしまいます。そのようなことが起きないよう迅速に対応を進めていった結果、最終的には大きな問題もなく誘導をやり遂げることができました。多くのお客様から「ありがとう」という言葉をいただけたことが、私にとって大きな自信になりました。

夢・目標

ゆくゆくは人を指導できる立場として
「頼られる助役」を目指したい

私はもともと異業種で働いており、鉄道に関する知識も全くありませんでした。路線図などを覚えるのも最初は苦手意識がありましたが、その必要性を理解すると頭に入ってくるようになり、その後は経験を積むうちに自然と身体に浸透していきました。
そして徐々にお客様の役に立てる場面も増えてきた今、今後はサービスや接客のスキルをさらに向上させ、将来的には指導職にあたる助役を目指したいと考えています。人の上に立つ助役になるためには、鉄道に関する知識も今以上に必要とされ、接客スキルにおいても高いレベルが求められます。また、私の意見としては、上の立場の人間には判断力も必要だと思います。優柔不断な姿勢では「頼りない」と思われてしまうので、しっかりと判断を下せる、頼りがいのある助役になりたいです。実際のところ、私の上にいる現在の助役がまさにそのような存在なので、目標の姿としながら成長していきたいと思います。

画像:松本和斗

4Question

  • 今の仕事、「ここを見てほしい」といえば?

    お客様が求めているものを敏感に感じ取り、親身に対応することです。具体的な例としては、鉄道営業の私たちは普段から鉄道の専門用語を使って話をしますが、お客様にとってはあまり馴染みがなく、私たちが普段使わない言葉をチョイスされることもあります。お客様が気持ち良く都営地下鉄を利用していただけるよう、常にお客様の立場に立った接客を心がけています。

  • プライベートは何をしている?

    車が好きなのでドライブしたり、地元で草野球をしたり、あるいは家でゲームをしたりと、いろいろなことをしています。この仕事は24時間勤務という特殊な勤務体系ですが、しっかりとプライベートの時間も取ることができています。平日の日中を自分の時間として過ごせるのは、なかなか魅力的です。

  • 入局して一番成長したところは?

    安全運行に対する意識です。仮に電車の運行が止まれば、多くのお客様に多大な迷惑をかけてしまいます。指差し確認についても、入局前は「意味があるのだろうか」と考えていたのですが、その重要性を理解した今では身体が自然と指差し確認を行うようになりました。

  • 未来の仲間に一言

    鉄道の知識がなくても、人と関わることが好きであれば、鉄道営業として十分な適性があります。接客が好きで、さらに鉄道も好きであれば、鉄道営業の仕事は天職だといえます。大変なところもありますが、誰かの役に立っていると実感できるやりがいのある仕事です。頼りになる先輩たちと一緒に、お客様に安全安心を届けましょう。

画像:松本和斗

ワンデイスケジュール

  • 8:50

    出勤点呼

    出勤後は制服に着替えます。点呼では管区長が挨拶し、その日の共有事項をメモに書き留めます。

  • 9:00

    窓口業務(改札業務)

    その日の担当業務は勤務ダイヤに沿って1〜3時間ごとに交代します。改札業務では、改札での運賃精算業務や案内業務を行います。

  • 10:00

    券売機締め切り業務

    券売機内の売上金の回収・確認作業を行います。

  • 11:00

    休憩

  • 12:00

    窓口業務(改札業務)

  • 15:00

    休憩

  • 16:00

    窓口業務(乗換改札)

  • 18:00

    ホーム監視

    ホーム監視では線路上に障害物がないかなどを確認します。見落としなく安全を確認するため、「指差し確認」を徹底しています。

  • 19:00

    休憩

  • 20:00

    窓口業務(改札業務)

  • 21:00

    休憩

  • 22:00

    窓口業務(乗換改札)

    お客様が少ない時間帯には、改札機のタッチパネルの確認や清掃なども行っています。

  • 25:00

    業務終了

    終電の後は、決められた仮泊所で仮眠を取ります。寝間着に着替えて、翌日の勤務まで数時間仮眠します。

  • 5:30

    起床・営業準備

    起床後、再び制服に着替えて営業の準備を行います。

  • 6:00

    窓口業務(改札業務)

  • 9:00

    退勤点呼

    その日の勤務状況などを報告し、退勤の点呼を取ります。

  • 9:20

    業務終了

    24時間の勤務終了後は、翌日まで身体を休めますが、時には業務後にそのまま遊びに行くこともあります。