想いを運ぶ東京都交通局の仕事

電車運転[路面]

電車部 荒川電車営業所

Mさん

2023年入局

幼いころから鉄道が好きで、運転の仕事に憧れを抱く。自動車教習所での勤務を経てバス会社に転職。前職の先輩から勧められたことを機に都営交通の採用ページを見たところ、その日が締め切りだった路面電車の募集を発見。運命を感じながら応募し、夢への扉を開いた。

一つひとつの判断が、
安全に直結する
日々の仕事が「終わりのない修行」になる

仕事と魅力

全業務を一人で担うワンマン運転
その魅力と責任

都電荒川線(愛称:東京さくらトラム)は、三ノ輪橋から早稲田まで、下町の風情が残る街並みを駆け抜ける東京唯一の都電です。私はこの都電の運転手として、電車を運転するだけでなく、停留場ごとのドアの開閉、運賃の収受、一日乗車券の販売、そしてお客様一人ひとりへのご案内まで、運行に関わるすべての業務を一人でこなします。車掌がいないワンマン運転だからこそ、お客様との距離が近く、自分の力で日々の運行を支えているという手応えを感じられるのが、この仕事の魅力です。
一方で、その責任は重大です。特に路面電車は、一般の自動車と並走したり、信号のある交差点を横切ったりと、一般の鉄道にはない独特の運転環境があります。一つの判断ミスが大きな事故につながりかねないため、先輩職員からは、「自分の技術や経験を過信せず、常に周囲の状況を読み、危険を予測しながらハンドルを握ること」の重要性を叩き込まれました。その時の教えが、私の安全運転の礎となっています。

画像:Mさん

想いとエピソード

お客様からの言葉が
忘れられない思い出に

東京さくらトラム(都電荒川線)は、通勤・通学やお買い物など、地域の方々の日常を支える「足」になっています。日々乗務していると、毎日同じ時間にご乗車されるお客様と顔なじみになり、「今日もご苦労様」「ありがとう」といった温かい言葉をかけていただく機会も少なくありません。そうした何気ない交流が、日々の業務の大きな励みになっています。
また、地域の方々だけでなく、沿線の景色を楽しむ観光客の方々にも東京さくらトラム(都電荒川線)は愛されています。特に印象に残っているのは、終点の早稲田で出会った海外からのご家族です。お父様がご家族の写真を撮ろうとしていたのですが、全員がうまくフレームに収まらずに困っているご様子でした。発車まで時間があったので「お撮りしましょうか?」とお声かけしたところ、なんと私と電車も一緒に写したいとのこと。思いがけないリクエストに驚きましたが、撮影後に「かっこいいですね」と言っていただけたことは、今でも忘れられない嬉しい思い出です。

夢・目標

終わりのない挑戦
技術と心を磨き続け
キャリアアップしたい

運転技術にも、お客様への接客にも、「これで完璧」という終着点はありません。だからこそ、この仕事は「終わりのない修行」なのだと思っています。常に「もっと良い運転はできないか」「もっとお客様に寄り添った対応はできないか」と自問自答し、技術と心を磨き続けています。
終わりがないからこそ、いつまでも謙虚な気持ちを忘れてはいけません。私自身、過去に自分の未熟さから失敗を経験し、悔しい思いをしたこともありましたが、その度に自分の技術を過信せず、努力を続けることの大切さを痛感してきました。
当面の目標としては、日々の乗務で無事故・無違反を続け、お客様からの信頼という成果を一つひとつ着実に積み重ねていくこと。そして将来的には、運転手としての経験を活かしながら、さらに広い視野で仕事に取り組みたいという想いから、助役選考試験に挑戦したいと考えています。交通局という大きな組織の中で、まだ自分が知らない世界を学び、自身の可能性をさらに広げていきたいです。

画像:Mさん

4Question

  • 今の仕事、「ここを見てほしい」といえば?

    運転手として「安全」「正確」「快適」の3つを常に心がけています。ダイヤを正確に守りつつ、どんな状況でも揺れの少ない快適な運転を提供すること。その両立にこだわっています。

  • プライベートは何をしている?

    職場の仲間と過ごすことも多いです。営業所の同期や仲間と釣りやフットサルを楽しんでいます。フットサルはハードですが、良い運動になりますし、汗を流して良いリフレッシュになっています。

  • 入局して一番成長したところは?

    安全に対する意識と、規則を守ることの重要性を再認識できた点です。自動車の運転とは違い、鉄道は速度制限などのルールが厳格に定められています。一つひとつの決まりを守ることが、お客様の安全に繋がっている。その責任の重さを実感し、プロとしての意識が高まりました。

  • 未来の仲間に一言

    プロの鉄道員としての自分を強くイメージして、就職活動に臨んでほしいと思います。東京さくらトラム(都電荒川線)で自分の強みをどう活かし、どう成長していけるのか。明確なビジョンがあれば、きっと道は拓けます。荒川線の安全を共に守る仲間として、皆さんと一緒に働ける日を心待ちにしています。

画像:Mさん

ワンデイスケジュール

  • 6:50

    始業・点呼

    出勤後、制服に着替えて身支度を整えます。点呼では、アルコールチェックや体調の報告、その日の運行スケジュールの確認などを行います。

  • 7:20

    乗務開始

    全30の停留場がある三ノ輪橋~早稲田間を運行します。運転はもちろん、お客様へのご案内や乗車券の販売も大切な仕事です。

  • 9:30

    休憩

    安全運行のため、乗務の合間には必ず休憩が設定されています。営業所の休憩室で一息つき、次の乗務に備えます。

  • 10:00

    乗務

  • 11:15

    休憩

  • 11:40

    乗務

  • 12:30

    昼食・休憩(中休)

    乗務の間にまとまった休憩時間(中休)があります。営業所で昼食をとったり、時には同僚と東京駅まで食事に出かけたり、仮眠をとったりと、思い思いに過ごします。

  • 15:30

    乗務

  • 17:30

    休憩

  • 18:00

    乗務

  • 19:50

    入庫

    一日の乗務を終え、電車を車庫に戻します。料金箱の回収や検修員への引き継ぎを行い、パンタグラフを降ろして電源をオフにします。

  • 20:15

    退勤点呼

    車両内の遺失物確認や、翌日の予定を確認し、一日の業務は終了。