自動車部 渋谷自動車営業所
松本 尚也
2017年入局
音響関連の仕事を経て、東京都営交通協力会にて駅業務に従事する。運転に関する仕事は未経験だったが、よりお客様の近くでやりがいを感じたいと考え、バス運転手養成枠採用に応募。父がバスの運転手であり、幼い頃からバスに親しんでいたことも大きな後押しになったという。
定時運行と安全運転の両立
技術と心で、
安らげる運転を提供する
仕事と魅力
めまぐるしく変わる道路状況に対応し
平常心を持って安全運転を行う
私は渋谷自動車営業所にて都営バス運転手として勤務しています。バスの運転はもちろん、乗車前の車両の点検、お客様からの料金徴収やドアの開閉作業、車内アナウンスなどもバス運転手の役割となります。
都心を走る都営バスの場合、朝の時間帯は通勤や通学で利用されるお客様が多く、車内が満員になることも多々あります。都内の交通量は多く、道路状況は1分1秒ごとに変わっていきますが、バスはなるべく時刻表通りに運行しなければなりません。ですが、それ以上に大切なことはお客様の安全です。
バスの運行中、バイクや自転車、歩行者の飛び出しといったリスクを全て予測することは困難ですが、焦ることなく心の余裕を持って運転していれば視野が広がり、事故の危険性も減らすことができます。
私が営業所に配属されたばかりの頃、指導員(師匠)から「運行が遅れていても焦ってはいけない。平常心を持って運転することが大事」と教わりました。バス運転手の大切な心構えとして、今でも心に留めています。
想いとエピソード
東京の重要交通手段としての責任感
「心」を大切にしながら、
日々お客様と接する
都営バスは1日に約50万人という大勢のお客様を目的地までお届けしています。首都・東京における重要な交通手段の一つだからこそ、絶対に事故を起こさないという安全運転の「技術」は、バス運転手にとってきわめて重要な能力になります。
一方で、この仕事は運転の技術だけがあれば務まるものではありません。私は、お客様が安心してバスに乗っていただける「技術」と、安らぎをお届けする「心」の両方を大切にしています。お客様がバスにご乗車いただく時間は、決して長いものではありませんが、だからこそマイクを通じての案内や、ご乗車いただいた時のお声かけなど、少しでも安らぎを感じていただきたいと考えています。そうした想いが通じてか、「素敵な案内でした」とお客様からお褒めの言葉をいただき、大変嬉しい思いをしたこともあります。また、小さいお子様にとってバス運転手は憧れの職業で、こちらに手を振ってくれるなど、熱い視線で見てくれます。そんな時には、これからも子どもたちに恥じない運転をしようと、背筋がピンと伸びます。
夢・目標
未経験からスタートし、技術を着実に習得
いずれは指導の立場から
都営交通に貢献したい
私は運転の仕事自体が全くの未経験で入局したため、初めは右も左もわからないことばかりでした。「お客様を乗せてバスが運転できるようになるのだろうか」と不安になることもありましたが、配属されて最初の1か月は「バス運転手師弟制度」を通じて指導員(師匠)と一緒にバスに乗り、実際の業務を通じてバス運転手としての姿を学ぶことができました。師匠からのあたたかいフィードバックや日々の経験を活かし、自分の思い描いていた運転ができるようになってくると、徐々に心に余裕も生まれ、笑顔でお客様を迎えられるようになっていきました。
今後の目標として、私は運転技術のさらなる向上に加え、英語力も身に付けたいと考えています。都営バスは外国のお客様も多く利用されます。今はまだ英語力が不足していますが、外国の方がお困りの時に、力になれるようになりたいですね。
また、もう一つの目標は、私自身が師匠になることです。尊敬できる師匠から教わることができたので、いずれは私自身も師匠になり、後輩を育てていきたいと考えています。それはきっと、師匠への恩返しだけでなく、未来の都営交通への貢献にもなるはずですから。
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今の仕事、「ここを見てほしい」といえば?
急発進、急ハンドル、急停車という三つの「急」動作をしないように心がけています。事故の主な要因は焦りから生まれるため、どのような状況であっても、基本に忠実に業務に当たっています。
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プライベートは何をしている?
娘が生まれたばかりなので、できるだけ一緒に過ごすようにしています。今はとにかく可愛くて仕方がありません(笑)。家事にも積極的に関わりたいと思い、料理を始めました。得意料理はスパイスから作るカレーや中華です。
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入局して一番成長したところは?
マニュアル車の場合、変速の際に車体が揺れてしまうことがあります。最近では、出庫前に車体の癖やクラッチの感覚を確認して、以前よりも揺れを抑えられるようになってきました。以前はできなかったことができるようになると楽しいですね。
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未来の仲間に一言
不安感を抱く気持ちはよくわかりますが、都営交通には経験豊富な先輩方がおり、あたたかく迎えてくれます。コミュニケーションが取りやすい環境で、私も毎日楽しく働けています。「都営交通の顔」として一緒に最前線でがんばりましょう。
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6:30
出勤
出勤後は制服に着替え、アルコールチェックを行います。
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7:10
日常点検
その日乗務する車両の点検を行います。車体の傷、タイヤの状況、ライトの点灯などの基本的な点検が中心です。
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7:20
始業点呼
運行管理者が乗務員の健康状態などのチェックを行い、各自がその日に担当する路線を確認します。乗務員の行路や時間を示した運行指示書「スターフ」を受け取り、出発します。
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7:30
乗務開始
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11:30
休憩
午前の乗務が終了したら、営業所に戻って休憩を取ります。この時、昼食も摂ります。
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16:00
乗務再開
しっかりと休憩を取ったら乗務再開です。原則として、1日を通して同じ路線を担当します。
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20:00
乗務終了
安全運転で営業所に戻ってきたら、給油や料金の精算を済ませ、再びアルコールチェックを行います。
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20:30
終業点呼
アルコールチェックの結果とスターフを運行管理者に渡して終業点呼を実施します。