自動車部 有明自動車営業所
栗原 隆
2009年入局
前職は自動車販売会社で大型自動車の整備士として10年勤務。「より踏み込んだ整備がしたい」と考えるようになり、東京都交通局へ。渋谷自動車営業所で11年勤務した後、2020年に有明自動車営業所の新設とともに異動する。
燃料電池バスや
フルフラットバスの導入
新技術に挑みながらも、
「東京の足」を止めない
仕事と魅力
先駆的な技術を導入する都営バス
その整備士として、日々の点検や修理を行う
都営バスの整備士として、定期点検整備、予防整備、故障修理、部品修理といった業務を担当しています。また、組長(作業班のリーダー)として日々の業務割とその作業指示に加え、後輩の指導や職場の活性化といった取組も行っています。当局は、整備を直営で実施するため、故障した部品を単に交換するだけでなく、さらに分解して不具合の原因を究明するなど、腰を据えて深く技術を追求できる点が特徴です。
また、当局は、日本で初となるフルフラットバスや、首都圏初の実証実験を行った燃料電池バス(水素燃料)など、先進的な新型車両も導入しています。こうした新型車両は高度な技術を搭載しており、従来のバスとは別物といっても過言ではありません。そのため、当局の整備士は常に新しい知識を習得し続けることが必要とされます。大変な面もあるものの、新しい技術にいち早く触れ、学び続けられるということは、整備士としては大きな魅力でもあります。

想いとエピソード
都民の足、そして東京の足である
都営バスを絶対に止めないという責任感
都営バスは首都・東京の重要な交通手段です。都営バスは「都民の足」であるのはもちろんですが、日本中、世界中から訪れる多くの人々もご利用になります。つまり、私たちの仕事は都民の暮らしを支えるだけではなく、東京そのものを背負っているともいえます。東京の記憶を良いものにするためにも、絶対にバスを止めてはいけないという強い責任感を持ちながら整備に当たっています。
バスは、重要な公共交通機関であるという立場からすれば、その運行中に路上で止まってしまう「路上故障」はもっとも避けなければいけない故障です。万が一路上故障が起った場合は、私たち整備士が現場に駆けつけ、バスが速やかに帰庫できるよう応急処置などを行います。数万点にもおよぶ様々な部品で構成されるバスである以上、万全の整備を行っていても、予測できない故障は起こり得ます。だからこそ私たちは、「路上故障ゼロ」という高いハードルを自分たちに課し、これまでに培った独自の基準による着実な点検整備と、予防保全を実施しています。
夢・目標
若手職員をプロフェッショナルに育て上げ
都営バスの整備技術をより一層引き上げる
まず、私個人の目標としては、燃料電池バスをはじめとした新しい知識を習得することです。近年の技術の進化はめざましく、10年前とは全く違う知識が求められるようになっています。私自身は整備士として約20年の経験を積んできましたが、それでもなお技術の習得に終わりはありません。
また、後輩の指導・育成も目標の一つです。現在の有明自動車営業所には、自動車が好きで、熱意があり、ポテンシャルの高い職員たちが集まっています。そんな彼らに対して、私の持てる技術を全て継承し、整備のプロフェッショナルとして育ってもらいたいと考えています。
そして、将来的には、助役として整備全体を取りまとめる立場になりたいとも考えています。助役は、整備士としての技術を基に、整備計画や部品調達などを行うほか、営業所運営も担うため、今とは違った視点から整備技術の向上に貢献できると考えています。都営交通を今以上に幅広い目で眺め、東京の足としてより一層安全・安心なサービスを提供していきたいと思います。

-
今の仕事、「ここを見てほしい」といえば?
私たちは「視覚・聴覚・触覚・嗅覚」という五感のうち4つを使いながら、車両の故障を感じ取っています。そして、実際の不具合が発生する前に故障の予兆を見極める経験と技術が誇りです。
-
プライベートは何をしている?
趣味はドライブで、休みの日はほとんど家におらず、外に出ています。走りに行くというよりは妻と娘の家族3人で外出するのが好きで、温泉に行ったり、旅行に行ったりと、家族の時間を楽しんでいます。
-
入局して一番成長したところは?
前職で整備士をしていた頃は、「壊れた自動車を直す。」プロフェッショナルな整備士を目指していました。しかし都営バスに入局してからは、プロフェッショナルの定義が「壊れる前に整備する。」に変わり、同じ整備士でありながら、新しい視点や知識を身に付けることができました。
-
未来の仲間に一言
燃料電池バスやフルフラットバスをはじめとし、環境、福祉や安全に配慮した様々な車両を導入しています。ぜひ、私たちと一緒に高度な技術が詰まったバス整備に挑戦しましょう!

-
8:00
出勤
作業着に着替え、身支度を整えます。
-
8:30
ラジオ体操・ミーティング
職員で集まってラジオ体操を行い、当日に実施する作業の打合せをします。
-
8:50
定期点検整備ほか
作業場に移動し、作業を開始します。定期点検では、予防整備と故障修理、部品の交換などを行います。都営バスでは、法定の3か月点検に加え、1か月自主点検を実施しています。また、計画的なオイルやタイヤなどの交換も実施しています。
-
12:00
昼休憩
-
13:00
作業再開
午前中の作業の続きや急な車両故障への対応を行います。燃料電池バスの場合、燃料となる水素ガスの漏れやモーターのオイル点検など、点検項目が増えます。また、燃料電池は車両上部にあり高所作業になるため、一層注意して作業を行う必要があります。
-
17:15
作業終了
作業場の清掃や使用した工具などを片づけ、その日の作業を終えます。